さすらい農場

ウエスタンのさすらい農場のレビュー・感想・評価

ウエスタン(1968年製作の映画)
5.0
ー 男は知っていた
 もうこの場所で、自分がすべき事は
             何も無いと ー

原題 : C'ERA UNA VOLTA IL WEST
   (その昔、西部があった)
英題 : ONCE UPON A TIME IN THE WEST
   (昔々、西部で…)

【ドル三部作】を超える衝撃
[荒野の用心棒] に心臓を撃ち抜かれ
[夕陽のガンマン] に眉間を撃ち抜かれ
[続夕陽のガンマン/地獄の決斗] に両手足を撃ち抜かれ
そして本作には、腹にズドンと撃ち込まれた
きっとこの衝撃を抱えたまま死ぬだろう
生涯で最も愛する映画【ウエスタン】

映画史上最高のオープニング
撮影ロケ地にて、錆びて軋む風車に油を注しましょうか?とスタッフ
[注したら殺す!] と監督セルジオ・レオーネ
そこでは全ての音が欠かせない[音楽]だった

監督は、冒頭に登場する3人のガンマンとして前作の主要キャスト(イーストウッド/リー・ヴァン・クリーフ/イーライ・ウォラック)にオファーしたが返事は当然NOだった
絶対に前作を超える!…という執念
[ニセモノ西部劇]と軽んじる世間の風潮を一転させんとする気概
あらゆる西部劇にオマージュを捧げつつ西部劇の概念を破壊して見せる…という大胆不敵な意気込み
その情熱はマカロニ・ウエスタンの枠を超え今なお輝く傑作として結実した

レオーネ唯一の[女性]を主人公とした物語は、新時代の到来とフロンティアの終焉を告げる最高の 【最後の西部劇】
後年、レオーネは得意げに語ったという
[ジョン・フォードは西部劇を創った
       私は西部劇を終わらせたのさ]



 ☕️ 適当にご休憩ください ( ~_~ )



その男は、死者の名を語る
ジェンキンス、ベンスン、クーパー、ヤングブラッド… (そしてお前 と告げるかの様に)
その男は、物哀しいハーモニカの音色と共にやってくる[過去]からの使者
【アウトローの美学】は【滅びの哀愁】

橋が架けられ渡し船が無用となるように
電車が開通し蒸気機関車が廃止されるように
新たなエネルギーが生まれ世界は変わる
全てのものが役割を終えて消えていく
時代の終焉と到来を告げる汽笛が鳴る
 古き良き事、心に刻まれた傷跡
 全力で生ききった人生に想いを馳せて
 振り返れば全てが懐かしい
そんな人生経験の有無に限らず、全ての人の心には魂に刻まれた【郷愁】がある
そんな【眠れる郷愁】を揺さぶるのは
映画に愛された哀愁のマエストロ
エンニオ・モリコーネが生み出す音楽の力
物語を雄弁に語る交響曲と、獅子王レオーネの映像リズムで魅せる完全一体型の総合芸術

〈ハーモニカの男〜フィナーレ〉
https://www.youtube.com/watch?v=Ed-0KH55WBk

〈さらばシャイアン〉
https://www.youtube.com/watch?v=akfT5BJaLMY

〈ウエスタン/ジルのテーマ〉
https://www.youtube.com/watch?v=v16z5SPBXvQ

ドラマチックな名曲を聞けば、様々なシーンが胸に蘇る
劇場、リビング、通勤電車、どこだろうと涙が滲む
魂が共振するのだから仕方ない
人によっては独特のタメ演出が心地良すぎて意識を失うほどの癒し効果がある(デトックスにも期待)
眠れぬ夜にお悩みの方は、迷わずBlu-rayを購入するべきだろう
廉価版が出てお求めやすくなっている‥★

【ウエスタン(ONCE UPON A TIME IN THE WEST)】への想いは、とても語り尽くせないからもう語らない

    …とりあえず!

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相棒ポテト🍟さん
人生ベストを共に旅できて感謝しかない
(^人^)to Thanks
今回のレビューの為に3回観ました🤭
3回とも[嗚呼 ええなあ…]としか思えんかった
( T u T )☆ ←ヘイ重度