葛西ロボ

ウエスタンの葛西ロボのレビュー・感想・評価

ウエスタン(1968年製作の映画)
4.2
 冒頭駅でじっくりと汽車を待ち構える3人組、それぞれ個性的でこの人たちがメインなのかなと思って見ていると、汽車から降りてきたハーモニカに全員ぶっ殺される。ところ変わって、新しい母親を迎え入れようとしている田舎の家族。こっちの人たちがメインなのかなと思っていると(ry
 この始まり方はタランティーノの「イングロリアス・バスターズ」に通じるものがあって、フランクという悪役に対して恨みを抱える女性が奮闘したり、同じようにフランクに執着する凄腕のやつが追っているという基本のストーリーも似ている。
 一方でそれまでのドル箱3部作とは違い、人間の生き方がぶつかり合うというよりは、土地の権利のために戦うというところが西部開拓時代終焉の物寂しさとも相まって、新しい時代の到来を予感させるラストに至るまで重厚な劇の様相を呈している。
 そんな中でもフランクに罪を着せられる山賊シャイアンの活躍と人間くささは今までのレオーネ作品の中でもピカイチ。