三四郎

二人の恋人の三四郎のレビュー・感想・評価

二人の恋人(1969年製作の映画)
1.0
加山雄三はまるでカントだな、時計がわり笑 「わが青春に悔いなし」東宝も自社の旧作(黒澤明)にオマージュを捧げているということを知った。
ありふれた映画の筋であることは気にならないが、どうも日常描写、家の中の感じが微妙だ。あたたかさ、愛情、人情味を感じられない。東宝は茶の間シーンと家族・家庭を描くのは戦前から戦後にかけて上手くないな。
当時、酒井和歌子を売り出していたのか知らないが、いくらモデルとして写真を撮るにしても、あのように何枚も何枚もカシャカシャされたんじゃ見ているこちらが退屈だ。一番嫌なのは途中が気持ち悪いこと。黒人の唇、唾液、接吻をアップで映していき濡れ場シーンへと持っていくあたり、なぜこんな演出が必要だったのか…。優等生である兄貴の加山雄三が一夜限りの女と寝るという設定も、1960年代後半という時代が求めていた筋であり衝撃なのかもしれないが、なくていい無駄な設定だったように思える。
継母と息子という設定だけど…加山雄三と高峰三枝子の関係がなかなかおもしろい。高峰三枝子の小指の出血を舐める加山雄三がなんともエロチック。
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