キッチー

オーケストラ!のキッチーのレビュー・感想・評価

オーケストラ!(2009年製作の映画)
4.0
ユダヤ人のオーケストラの演奏者を庇って指揮者の地位を剥奪された元ボリショイ交響楽団の一流指揮者アンドレイ(アレクセイ・グシュコフ)。彼はその後30年もの間、楽団の劇場清掃員として働いていたが、燻る感情を抑えることが出来ないでいた。

ある日、パリの劇場からのオーケストラ公演依頼のFAXを見てしまったアンドレイは、咄嗟にFAXを盗み、解散させられたかつてのオーケストラを再結成し、本物になりすまして演奏することを企てる。仲間たちはそれぞれ違う畑で生きており、音楽も辞めていたが、声をかけて集合させ、パリへ。ところが、現地で自由勝手に行動する彼らはバラバラになってしまう。果たして彼らは演奏が出来るのだろうか?

集められたメンバーには現地で合流することになったヴァイオリンのソリスト、アンヌ・マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)もいたが、彼女は段取りの悪さに不信感が募り参加を辞退してしまい...

ほとんどがアンドレイの想いを実現するプロセスで描かれているので、他のメンバーの想いは解らなかったのですが、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏することで、みんなの共通の想いが甦るところが感動的でした。実はこの映画には隠された秘密があり、終盤にかけて徐々に明らかになるのですが、仕掛けがとても上手でしたね。

アンドレイ、チェロのサーシャ、過去に裏切った元支配人イヴァンの行動も良かったけど、なによりヴァイオリン(レアとアンヌ)のシーンが良かった。最後は巻き戻して何度も見直してしまいました。ちょっと泣きそうでした。
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