ポンコツ娘萌え萌え同盟

アイアン・ホースのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

アイアン・ホース(1924年製作の映画)
4.3
再鑑賞。出世作にして大傑作。
当時たった30で『アイアン・ホース』と大陸横断鉄道のアメリカ史の中でデイヴィという男のドラマを世に放ったジョン・フォードのインパクトはおそらく相当強かっただろう。
後に『駅馬車』や『捜索者』など傑作を残し、ジョン・フォードが西部劇の神様と言われるのも頷ける。

上記の大陸横断鉄道の歴史映画。叙事詩として鉄道労働者を舞台に描く一方にして、そんな中で描かれたのはデイヴィとい一人の若い男のドラマだ。
インディアンに殺された父親の夢を引き継いだ青年が、父親とそして自分の夢を達成するのは大いに味わい深い感動を得る。
とはいえ史実に基づく物語だけど、娯楽映画としても優秀な作品となっている。それを足らしめたのがインディアンとの戦いだ。

ジョン・フォードという監督は"動作"を映すのが非常に丁寧かつ上手い監督だと思う。
1939年の『駅馬車』で動く幌馬車でインディアンとの戦闘は80年以上の前と思えないくらいアクションがすごかった。
だけど1924年で90年以上の前でインディアンの襲撃、そしてダイナミックで激しい銃撃戦は見応えある。んで着目したのが動作なんですよ。

例えば馬が走っている時の映像のスピード感。バッファローの肉を調達するところの逃げるバッファローの動き。そして本作といえばやっぱりアクションと機関車。
どこをとっても動作を映す構図が非常に優れている。それがジョン・フォードのスピード感とダイナミックさの鍵だ。
だけどそれ以外でも鉄道のレールを引く労働者の動作も味があって面白く、
デイヴィのドラマとしても大陸横断鉄道の叙事詩としても非常に質が高い名作。