マーくんパパ

恋は緑の風の中のマーくんパパのレビュー・感想・評価

恋は緑の風の中(1974年製作の映画)
3.7
戦後社会派監督として多くの作品残した家城巳代治監督の遺作。一転、思春期の性の目覚めと初恋のもどかしさを綴った青春映画、映画デビュー作となる中学生役の主役2人(佐藤祐介・原田美枝子)に大胆な演技をさせている。東京郊外(という設定、ロケ地は深谷市)、美貌の母と話分かりのいい父親の前で開放的に何でも話す家庭の1人息子純一が父の病気で家業の八百屋を手伝う同級生雪子に初恋をする。家業廃業して田舎に転校することになった雪子を引き留めたいと友人たちと無謀な行動に出る純一…。散々、社会派ドラマ撮った監督が思春期世代に観てもらいたい寓話として撮った感あり。チンカス相談や父との勃起比べ、母の不倫疑惑にも口を出すこんなフランクな家庭あったらイイね、そして初恋はこんなにも想ってくれる人に出逢えたらイイね、思い込んだら親や先生が何と言おうとやり通す一途さがイイね、緑の川縁り彼岸へ立ち去る少女、でも又出逢いの機会はきっとあるよ、若者たちよ青春謳歌しなさいのメッセージ。