マーくんパパ

獄門島のマーくんパパのレビュー・感想・評価

獄門島(1977年製作の映画)
3.7
戦後離島での旧家跡目争いから起こる俳句仕立ての猟奇殺人3件。「鶯の身を逆さまに初音かな」「むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす」「一つ家に遊女も寝たり萩と月」。横溝正史『本陣殺人事件』に次ぐ本格探偵ミステリーを市川崑監督が同氏原作『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』に続き金田一シリーズ三作目として演出。俳優の格から察して和尚・佐分利信と本家下女・司葉子が初めから怪しいのは濃厚、そしてわざわざ手の込んだ殺し方で俳句に寄せる苦労をも不自然と思わずにコレが昭和レトロ怪奇探偵小説の醍醐味と楽しむに限ります。映像としても島の風景、断崖、本鬼頭・分鬼頭旧家の様式美が堪能出来ます。