Makiko

襤褸と宝石のMakikoのレビュー・感想・評価

襤褸と宝石(1936年製作の映画)
3.4
おそらく比べるのは野暮だろうけど、ヒロインがトチ狂ってて男が振り回されるというと『赤ちゃん教育』を思い出す。しかし本作はお嬢こそオカシイが執事がしっかりしているので、所々でテンポが停滞する。かなりスクリューボール寄りのソフィスティケイテッドコメディ?

ラ・カーヴァ監督は『ステージ・ドア』の方がシリアスとコメディとのバランスが取れていたように思える。

この時代の豪邸のセットは、白さが豊かさの象徴であると同時に現実世界の暗さとの対比になっている。未だに社会格差が激しい現代、しかもこんな世の中なので、こういった金持ちの道楽的なコメディ映画は現実逃避にぴったりだ。

初キャロル・ロンバードだった。写真くらいでしか見たことがなかったので、こんなにパワフルに笑いを取る女優だとは知らなかった。

「あなた失礼ね、帽子くらい取りなさいよ」と言われて「片手が塞がっていては捜査が滞るのでね」と返す警官に笑った。
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