襤褸と宝石の作品情報・感想・評価

「襤褸と宝石」に投稿された感想・評価

No.97[キチガイ一家爆走風雲録] 100点

主人公以外の登場人物全員がキチガイで、頭の重要なネジが何十本か吹き飛んでいるスクリュボールコメディという奇特な映画。街中の窓ガラスを叩き割る姉、乗って帰ってきた馬を書斎にぶち込む妹、妖精が見える母親にゴリラのモノマネをする愛人。そこに連れてこられた唯一の一般人として、執事のゴドフリーが冷静な目線を提供する。ゴドフリーに惚れるのが、彼を拾ってきた妹アイリーンなのだが、ぶっ飛んでる以前に距離感覚が破壊されているのか、ゴドフリーへの距離の詰め方が異常に近い。登場シーンはいつも斜め上を見ているし、焦点合ってないし、幽霊みたいにスーッと移動し続ける。と思ったらドタっとカウチに座って泣き始める。それを全部頭から被りながら"何言うとんねん"というツッコミ一本で回避し続けるゴドフリー。あまりにキチガイでいることが当たり前過ぎて、私まで頭おかしくなりそう。しかも、キャプラみたいな"愛すべきちょっとおかしい人"とかじゃなく、シンプルに近付きたくない。

しかし、それこそがポイントで、欠けてる"けど"愛すべき云々みたいなゼロ和ゲーム的人間関係なんか心底どうでもいいと思っている私からすれば、本作品のように当たり前のようにキチガイで、それが変わることなくそこに鎮座しているという状況こそ愛すべきなんじゃないか。

ゴドフリーが姉に付いて行くと勘違いしたアイリーンが仮病を使って倒れ、ゴドフリーは彼女をシャワールームにぶち込んで水をかける。すると、瞬で復活したアイリーンは"今まで怒られたことなかったの!!愛のシャワーだわ!!"と大喜びで跳ね回る。そんな感じの映画。最後の方とか拗れすぎて意味分からんけど、多分私の頭がおかしくなったんだと思う。
AS

ASの感想・評価

4.2
感情を包み隠す事を知らない明け透けな言動者キャロル・ロンバードの、野性的かつメンヘラ具合が絶品。病的なまでに強引なドリブルでウィリアム・パウエルをモノにしようとするマジキチっぷりがエグい。
同様に一癖も二癖もある家族を相手に達観した表情で対応していくメイドも少ない出番ながらなかなかの濃さ

Video Market
yadakor

yadakorの感想・評価

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今時の映画じゃありえないけど、この時代の映画というのは会話シーン以外を撮る発想がないので、政治家やテレビなんかよりよっぽど高速の会話が90分行われる
日本語字幕版は1万円を越えるので、渋谷あたりでスクリューボールコメディ特集やるのを気長に待ちましょう
mfvlt

mfvltの感想・評価

3.0
キチガイが出てきて『ジョン・カサベテスのビッグ・トラブル』みたいなノリなども、だけどこれはスベってるし恥ずかしくなる ラストの結婚もしあわせじゃない 中盤「婚礼の合唱」あり
スクリューボールコメディの歴史にその名を残す作品だが、つい近年までDVD化されずにずっと観たかった作品。

ブロードウェイ社からハリウッド・スクリューボール傑作選の一本として「アイリーンとゴドフリー」のタイトルで発売されているが、単品では出ていない。

金持ち娘(キャロル・ロンバート)の道楽で執事として拾われたホームレス(ウィリアム・パウエル)、何でもそつなくこなす彼には秘密の過去があり…。

ロンバートはじめ金持ち一家がぶっ飛んだ面々で、それで好き嫌いが別れる作品と思う。

オープニング・クレジットが川辺のネオンサインになっているのが、洒落てて面白い。

このレビューはネタバレを含みます

気絶しているフリをしたキャロル・ロンパードをシャワーの下まで連れて行き、シャワーをかけているウィリアム・パウエル。「叱ってくれた人は初めて!愛のシャワーだわ。」とキャロル・ロンパードがとんでもない勘違いをしてるところが最高だな。今でも離婚した夫婦がこんな風に共演するなんてことはほとんどないから当時の人たちもその楽屋オチ的な笑いを楽しんだろう。「我が家の楽園」でもぶっ飛んだコレンコフを演じていたミシャ・オウアがアリス・ブラディのヒモとして出演していてまた凄いキャラクターを演じているわ。とにかくよく食う。客の一人として若き日のジェーン・ワイマンが出ているらしいが発見できず。次はそこらへんも含めてチェックしながら見よう。
まぁまぁ面白い。ウィリアム・パウエルの口笛だとか、キチガイ一家の母の笑いがドアの向こうから聞こえてきたりだとか、馬のいななきだとか 音使いが凝っている。
(サイレント時代明けならではか?)
ハリウッド映画では男女が相思相愛になるハッピーエンドが常だが、本作は相思相愛でもないのにキチガイに強引に結婚させられるラストが斬新。