しろくまとブラックコーヒー

ちいさな哲学者たちのしろくまとブラックコーヒーのネタバレレビュー・内容・結末

ちいさな哲学者たち(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

4歳から小学生に上がる前の子供たちが「愛」や「死」などの哲学について自ら考え、途中脱線したり質問に関係ないことを発言したりしながらも、時々大人もハッとさせられるような真理をついた発言をするところが面白い作品。

先生はあくまでファシリテーターとして園児の思考を深める手伝いをし、子供たちも楽しみながら思考を深めていく様子は、教育の現場として参考になると思う。

中盤で「なんでロウソクに火を灯すのか分からなかった」という発言があったけど、一本のロウソクに火を灯し、炎のゆらめきでリラックスした状態で思考を深めるレッスンをする。
そして、それを続けることで条件づけのように脳が考えを深めていくんだろうなと思った。
実際に、前半の子供たちの発言と後半のそれでは質も量も違うのがよく分かる。

特に後半に出てくる「愛がなくなるのはどんな時か」という質問に「ごめんなさいが言えなくなったとき」という回答はハッとさせられた。愛って男女の間だけじゃなくて友人や子に対してもあるものね。

「子供だから」の一言で子供の質問に嘘やごまかしや幻想を与えることが嫌いなので、この作品の中の親や先生の子供への接し方は理想的に感じた。