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アーティストのtoriten45のレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.1
もちろんサイレント映画世代ではないし鑑賞した作品数も限られているからあまり根拠ないですが、サイレント映画の雰囲気はいい具合に再現されている気がします。アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門を獲得しているのですね。納得。

サイレントからトーキーへの転換期。時代の大きな波に乗り損ねてしまった往年のスターの悲哀が胸を締め付けます。そしてスターへの階段を駆け上がって行く新人女優とのラブストーリーを織り交ぜながら、しみじみと伝わってくるのは古き良き時代のハリウッド映画へのリスペクトと愛情。素敵ですね。

色、セリフや効果音をほとんど差っ引いてしまった勇気ある引き算の演出。セリフと効果音が完全ゼロじゃないとこも憎いなぁ。そして、そんな制限あるの中でもしっかりとテンポよく見応えあるエンタメ作品に昇華されていて、心地よい余韻を残してラストを迎えることできました。

あとジャック・ラッセル・テリア、アギーの“バーン🔫ゴロリ”に心が撃ち抜かれました。カンヌ映画祭でパルムドッグ賞を獲得したのだそう。これにも納得。
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