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華の乱のRIOのレビュー・感想・評価

華の乱(1988年製作の映画)
3.4
大正時代は独特の日本の美しさがありますね
そして日本の伝統的な美が最後の華やいだ時代の狭間
時の大きなうねりの中に生きた与謝野晶子

日清・日露に戦勝してその後には
第一次世界大戦、第二次と突入していく
先進国入りしていく日本には精神的、思想的な自由と開放
中流層には”大正デモクラシー”が起こった

産業革命に追いつくための工業化、都市化
メディアによる文化の持つ情報の拡散に人々の意識が
大きく変わっていく 労働者階級を生み
社会変革を求める政治運動に呼応した社会主義運動

封建的な社会に女性の存在を示していった女性たちの姿が
描かれている

新時代への急激な変化についていけない
有島武郎の死が深く印象に残った

それにしても花の散る中を馬車を走らせるシーンは
「外科室」に負けない美しさでした
「春の雪」も同じ大正の美しさで溢れてる
大概、「外科室」の全編通しての映像美を
なかなか超えてくる作品もありません

どんどん晶子に子供が増えるにつれて詩の伝える力が強くなり
どんどん与謝野鉄幹がイカレていく
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