3時間の佳篇。第1部「父」、第2部「娘」。娘は図書館に勤める。本が大好きだ。娘は言う。「この世には謎が多い。花に色が付き、香りがするのはなんのためかしら」。男「美のため。美がこの世を支配する」。父「いや、闘争のためだ。」と言った父が亡くなる。父は言った。「本は人生ではない。一生湖畔にいるのは良くない」。図書館である男が言う。「幸福とは、社会に利益をもたらすための自覚。その自覚が幸せを生む」。バスに乗り、バイカル湖をを眺める。バイカル湖への愛着から抜け切れるだろうか。
幸福論など、ソ連らしい論法で興味深いが、風格ある力作。