Jimmy

さよならをもう一度のJimmyのレビュー・感想・評価

さよならをもう一度(1961年製作の映画)
4.0
フランソワーズ・サガンの小説『ブラームスはお好き』の映画化である。
イングリッド・バーグマンが、浮気ばかりしているイヴ・モンタンと結婚に踏み切れない女性心理を素晴らしい演技で体現している。

ポーラ(イングリッド・バーグマン)とロジェ(イヴ・モンタン)は、お互いに結婚に懲りた中年カップル。舞台はパリ。そこにフィリップ(アンソニー・パーキンス)がポーラに惚れる。ロジェは若い女性と浮気、ばれないように「仕事だ」と言っていたがポーラに気付かれる。ポーラは若いフィリップを受け入れて同棲するが、結局はロジェとよりを戻す。
簡単に言うと、こうした物語だが、フィリップがポーラに『ブラームスはお好き?』と手紙を出して一緒に音楽鑑賞に劇場行くが、ここで「ポーラが初めてロジェと出会った回想場面」が出てくるがその回想シーンは「画面がボヤけて回想シーンに入り、回想シーンが終わる時も画面がボヤけて現実に戻る」という凝った演出が見られた。

ポーラがロジェに「さよなら」を言って車を運転するシーンでは、涙でスクリーン映像が濡れる、そこで運転するポーラが車のワイパーを動かすあたりも粋な映像であった。

とりわけバーグマンの演技が凄かったのは、「フィリップが“別れの予感”と伝えた時のポーラの眼の動き」と「ダンス中に久々にロジェと再会した時のローラの眼の動き」である。この『眼で演技する女優=イングリッド・バーグマン』、凄い!!

ポーラとロジェの結婚式が終わってから、(ロジェ)「悪くなかったよ」→(ポーラ)「歯の治療みたい」という場面は『カサブランカへのオマージュ』だと思える。

鏡に映ったバーグマンを左右から挟み込む形での場面も、なかなか洒落ていた。
アナトール・リトヴァク監督の演出なかなか良かった。
Jimmy

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