このレビューはネタバレを含みます
今をときめく高良健吾と谷村美月主演のヒューマン･ドラマ。谷村美月はこの映画のために「丸刈り」になっている。彼女の「役者」に対する思いを強く感じる作品でもある。
ストーリーを簡単に説明すると、白血病で亡くなった妹(谷村)のために、兄(高良)が花火職人になって花火を打ち上げる…という話。ラストシーンはその兄が作った花火が打ち上がるのが最大のハイライト…と思っていたら、「もう一発」グッとくる仕掛けが用意されていた。
それ以外にも、高良健吾が演じる兄が慣れない土地で友達が出来ずに悩んでいたり、地元の青年会(って言うのかな？)に入ろうとしても受け入れてもらえなかったりするシーンは、思わずドキッとした。別に今更、小浜市の消防団に入ろうとか、お祭りの運営に関わりたいとは思わないけどね。狭い人間社会ゆえに生まれる「排他的」な姿勢に悩まされるシーンが、今の自分と重なると思った。
それを「乗り越えて」仲良くなるのか、或いは見切りをつけて本当に自分に合う環境を探すのかは本人次第だけどね。人間関係で大切なことは何なのか？それを考える意味でも面白い作品だと思う。
ちなみに高良健吾と谷村美月は「ボックス!!」という映画でも共演してる。その映画では「同級生」という設定だった。二人とも今回とは全く違うキャラクターだから、彼等の「演技力」を計るには丁度いい作品だと思う。
若手の中でもこの二人は、色々な役を演じる力があって本当にスゴいと思う。
