Jimmy

ミスター・ミセス・ミス・ロンリーのJimmyのレビュー・感想・評価

3.0
この作品、原田美枝子さんが製作・脚本(刹那という名義)・主演している作品であり、原田さんがかなり思いを込めて作り上げた映画だということは、2012年に『大地の子守唄』を池袋・新文芸坐で観た時のトークショーで聞いたか、原田さんの著書「俳優 原田美枝子」で読んだかして知っていたが、ようやく観た。

この映画、電柱に手錠でつながれた若い女性(原田美枝子)がいて、車で通りかかったホスト(宇崎竜童)が助けるところから始まる。このオープニングからしてATGらしい…(笑)
並行して、15億円を横領して逃げた某社長の現金を強奪した男(原田芳雄)は、現在12億円を保有している。しかし、強奪した1万円札(聖徳太子!)のナンバーは控えられていて使えない。これを裏社会の大物たち(天本英世、三國連太郎)に買ってもらおうなどと原田芳雄は考えている。
そんな物語において、原田美枝子と宇崎竜童と原田芳雄が出会うのだが……といった展開。

この映画で印象的だったのは、神代辰巳監督の切り取る風景、そしてロック中心の音楽(ダウンタウン・ファイティング・ブギウギバンド)が素晴らしい。

男二人の手錠シーンは笑える。…これだけだと判らないと思いますが。

エンドロールを見ていたら、「撮影助手=芦沢明子」との表記にビックリ!
芦澤明子さんは、長年に亘って、黒沢清監督作品の撮影監督をされていらっしゃるが、1980年には神代監督の作品にも参加されていたとは…。

全体的に見て、理解できたような出来ないような感覚が残るのは、やはりATG映画らしい気がした。
Jimmy

Jimmy