Jimmy

ヨーク軍曹のJimmyのレビュー・感想・評価

ヨーク軍曹(1941年製作の映画)
3.6
この映画、タイトルが「いかにも戦争映画」と思えるが、観てみたら「家族ドラマであり、ラブロマンス映画」であった。

戦争映画ファンには物足りなさを感じるだろうし、それ以外の映画ファンには「最高の感動作」と伝わらない気がした。
もともと、第一次世界大戦でのアメリカ軍で活躍した兵隊を描くものであり、アメリカでは1941年作品のため第二次世界大戦の高揚作品にもなっていたタイミングであろう。そのため、原題も『Sergeant York』であり邦題『ヨーク軍曹』も直訳。日本公開は当然ながら敗戦後(1950年)だったがヒネった邦題にはされなかったようだ。

さて、物語はテネシー州の田舎町に住んでいるアルヴィン・ヨーク(ゲイリー・クーパー)は、何物にも縛られずに自由に過ごしている男であり、毎日悪友たちと酒を飲んでは拳銃を空に向かって撃ちまくり、気に入らない男とは殴り合いする日々であった。
しかし、ヨークはある女性グレイシー(ジョーン・レスリー)に恋したことがキッカケで、農作物が収穫豊富な土地を得るために昼夜働きづめに働いて、教会で信仰にも目覚める。
この乱暴者から真面目青年に演じ分けが見事にできるのは、ゲイリー・クーパーならでは…の感あり。しかも、射撃の腕は凄いものあるのもゲイリー・クーパーらしい。
また、彼が惚れる女性を演じたジョーン・レスリーという女優は、多分初めて観たが、なかなか可愛い。観ているコチラも惚れてしまった…(笑)

その後、ヨークは「信仰している者は従軍願いを出しても却下される(…要は、従軍免除となる)」と神父に言われて、従軍願いを出した上で信仰者としての申請をするがテネシー州の田舎教会だったので申請却下されてしまう。その結果、戦場へ向かうことになるが、ここから後半となる。(本作の半分以上=前半が人間ドラマ)
そして、戦場でも「人を殺すなという宗教」と「敵を殺さなければ殺される戦争」の狭間で心揺れるが、自由を守るためには戦場に行くしかない…と決心して戦場に赴くとドイツ軍と激しい戦闘が始まり……となっていく。

具体的には記載しないが、ラストシーンでは涙溢れる感動。
さすがゲイリー・クーパー、の傑作であった。(本作でアカデミー主演男優賞を受賞)
監督はハワード・ホークス。
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