reni

危険な関係のreniのレビュー・感想・評価

危険な関係(1988年製作の映画)
2.8
映画そのものですが、教養のひとつとして観る分にはピッタリかと思います。
衣装とセットが豪華絢爛で考証バッチリ!
ハリウッドの底力を見る思いです。
やはり衣装やセットでアカデミー賞貰ってて、大納得です。
まぁ逆に言えば、見所はそこでして、18世紀フランス貴族社会の生活と風俗を細かに再現することでフィルムそのものが語りかける気がします。

キアヌは金満有閑未亡人とその元愛人(この二人の痴話喧嘩を拗らせた人心翻弄ゲームが本筋です。)に翻弄される若き音楽教師。
あまりの純粋さに利用され、当て馬やら愛人やら伝書鳩やら、仕舞いには自殺幇助と社会的心中の片棒担ぎまでやらされます。
が、鉄壁に純朴な心と完璧に美しい容姿は些かも傷付かないというキアヌらしい役どころです。天使かな?

また、顔を隠しての登場シーンが多々ありますが、私くらいの狩人ともなると即座にキアヌと判って、推しのシルエットの美しさを堪能するターンでした。

 キアヌの若々しく輝く美しさに比して、マルコビッチやクローズの老醜が際立ちます。過去に壊れてしまった恋の熾火を二人はとうとう愛に昇華出来ず、破滅的な人間関係に自分達を追い込んでしまうんですね。まさに『危険な関係』なんです。そういう意味では二人は退廃的な腐り落ちる寸前の果実のような色気を発散してるので、まぁ味わい深くはあります。
さりとてそこはアメリカ映画の悲しさでデカダンスの美とまではいかず、どこかしら教訓めいた締めに終始した感ですね。
reni

reni