田旗浩一

泉へのみちの田旗浩一のレビュー・感想・評価

泉へのみち(1955年製作の映画)
4.0
高峰三枝子・有馬稲子の母娘が一つ鏡を覗き、もう少し口紅の色を濃くしたらと言う冒頭から映画の風格が漂う。その日は娘の出版社の面接試験。鎌倉近代美術館での藤木悠の登場の仕方はその後二度とないエレガントさを纏う。
鎌倉の棲家を失ったその後の家族の物語は小津映画さえ偲ばせる。

驚いたのは、有馬稲子と根上淳が中北千枝子の取材で訪れる三浦半島が見える海辺の国立久里浜病院。20年前、自分が四か月間、入院した病院だった。
田旗浩一

田旗浩一