アキラナウェイ

暗黒街の弾痕のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)
3.5
フリッツ・ラングを求めて—— 。

サブスク界隈で最強のラインナップを誇るU-NEXTでも、フリッツ・ラング作品は少ない。

フリッツ・ラングが観たい!!

その熱意だけを胸に、GEO探索。
本当は「M」を観たかったけど、見当たらず。かろうじてあったのがこれ。

映画の図書館があったらいいのに。どんなに昔の作品も揃えている様な。どんなマイナーな作品も探せばある様な。

ボニー&クライドを題材としたノワールの先駆け。邦題が全くハマっていなくて、"人生一度きり"という原題を生かした方が絶対に良い。

前科のあるエディ・テイラー(ヘンリー・フォンダ)は、恋人ジョーン・グラハム(シルヴィア・シドニー)と結婚し、将来に夢を膨らませるが、銀行強盗の濡れ衣を着せられ、期せずして彼らの逃避行が始まる—— 。

前科者への冷たい風当たり。

宿泊先では追い出され、新たに就いたトラック運転手の仕事も難癖をつけられクビになる。

更生だのなんだの言った所で世間様は許さない。これは今も尚問題なんじゃないかなぁ。

シルヴィア・シドニーは、アマンダ・セイフライドにそっくり。

そして、生真面目な役柄の印象が強いヘンリー・フォンダが犯罪者役というのも面白い。瞬きしないんじゃないかっていう表情が印象的で、面会室での顔が怖いのなんの。

光と影とスモークに魅せられる。

時代としてはスタジオ撮影だけど、車は往来するし、雨は降るし、霧が立ち込めるし。本当にこの時代の映画作りって、味わいがある。

愛のままにわがままに、な2人。

つがいが死んだら生きていけないという喩えにカエルをチョイスしたのなんで?もっとさ、鳥とかさ、他の小動物でも良かったんじゃないの?

死の間際、神父の言葉が印象的。
君は自由だ。
扉は開かれている。

やっぱり原題の方がしっくりくるなぁ。

モノクロだから映える、罪を負いし前科者が抱える光と闇にうっとり。

フリッツ・ラングの「M」のDVDをお持ちの方。お貸し頂けないでしょうか(半分冗談、半分本気)。当方、MARVELシリーズなら「ブラック・ウィドウ」まで揃えております。あ、スター・ウォーズの1-6のBlu-rayBOXもあるにょ。