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アメリカン・ヒストリーXのharu3uのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.5
父親を殺され犯人のみならず黒人全体を憎むようになった兄デレクと、兄に感化され同じ道を歩む弟。人種のるつぼと称される現代アメリカの闇:人種差別を、白人側の視点で描く社会派ドラマです。
何よりまず、エドワード・ノートンの圧倒的な存在感! 狂気を抱える白人至上主義集団のカリスマ的リーダーと出所後改心した青年を、説得力を持って演技分けています。もう目からして全然違う。鏡に映る、胸に彫られたハーケンクロイツを自らの手で覆う場面の秀逸さ。
ごくごく一般的な米の模範的市民であった父親が、黒人への差別意識を持っていたこと。そして言葉にならないラストに、抜け出すことのできない負の連鎖と根深さを感じました。
“憎しみは幸せをくれたか?” 結局は、この問いに尽きるのかな。。
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