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パプリカのmitakosamaのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
3.9
今敏の遺作。生きてたら更に幾らでも傑作を生み出しただろうに。
筒井康隆原作だけど難しいストーリーをよくもまぁ映像化したわ。あの難易度の高さはアニメ・実写関係ないよ。

夢の中に入り込み精神的治療をする機械。開発中の機械が盗難にあい、人の夢に侵略する。
夢の世界と現実世界の入れ替わりの面白さ。今が夢か現実かがわからなくなるスリル感。
複雑な構造の物語だが、テンポが良くダレずに見れる。

キャスティングはちょっと驚いた。林原めぐみに古谷徹よ。声優として代表作が多くて、ある意味手垢がついてたイメージだったわ。
声優やタレントの起用とは、逆の逆を突いてきたと思ったね。

でもパプリカは林原じゃないと無理だっただろうなぁ、とも思う。
パプリカとあっちゃん、同じ人物で同じ声だが、違う人格であることを喋り分ける。あれは職人芸だよ。

夢の世界の行列の面白さね。5・7調の意味不明な言葉の羅列。後のインタビューで筒井康隆が「あのセリフ自分も考えたかった」と言ってたのが良かったな。

ゴッドファーザーズより、マンガ感を落としてリアルに振ったのも特徴的だな。監督の振り幅の広さがわかるわ。

つくづく天才の早逝が残念でならない。
次回作予定だった「夢みる機械」は製作断念したみたいだ。それも残念。
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