にっきい

ハンニバルのにっきいのレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
3.0
単なる変態になってしまったレクター博士。

ホラプレ部7月非公認課題"食人医師"その②
金曜にっきい、おはようさん。

訓練生だったクラリスがすっかりおばはんになってるのが1番のショックでした。
ジョディ•フォスターが断ったのは仕方ない。
これは個人の好みの問題だけどジュリアン•ムーアを美人だとは思えない…。

チルトン先生は食われたけど看護師のバーニーは唯一生き残った。
レクター博士は敬意も持って自分に接する相手には敬意を持ってかえす。

今作は原作のトマス•ハリスが映画版『羊たちの沈黙』のクラリス(ジョディー•フォスター)に恋してしまい、レクター博士に自分を重ねて書いたそう。
だからラストは(クラリスにとっては)悪夢の(レクター博士=トマス•ハリスにとって)ハッピーエンド。
でも降板したジョディ•フォスターも次々点のジュリアン•ムーアもそのラストに反対したのでラストを変更したらしい。
それ以外にもクラリスの車に忍び込んだレクター博士がハンドルを舐め回すシーンを撮影したそうだけど、流石にカットされてました。
天才精神科医で稀代の殺人鬼、悪のカリスマレクターが、単なる色ボケの変態に成り下がった瞬間。

ジョナサン•デミはB級映画の帝王ロジャー•コーマンの元で映画作りを学んだので、何処まで見せても大丈夫、これ以上見せたら規制がかかる(=入場制限がかかると興行収入に影響する)のバランスが絶妙。
観客の見たいものを見せながらギリギリ規制のかからない作風がアカデミー賞に繋がったんだと思います。

それに比べて今作のリドリー•スコットはサービスしすぎて結局R15+規制。
特にラストのあの頭蓋骨切開からの脳のソテーのシーン。
沢山映画を見てきたけど群を抜いて嫌いなシーン。

まあそう言うボンクラな部分を除けばトマス•ハリス原作でリドリー•スコット監督なんだから面白いのは当然。
でもクラリスとレクターの頭脳戦にも近い会話が見所だった前作とは違い、アメリカのクラリスとフランスのレクター、別々にストーリーが進むので中盤まで緊張感が希薄。
レクター博士の正体にパリの刑事が気付いてからは面白かったけど。

確かにレクターが貧乏暮らししてるのは想像出来ないしイメージとも違うけど、FBIから10大凶悪犯として指名手配されていて、医師としての仕事もしていないレクター博士が、何の不自由もなく優雅に暮らしてるのは違和感ある。

『羊たちの沈黙』の移送途中でレクター博士がクラリスの指に触れるシーンは、ゾクゾクする程セクシーだったのに、今作の回転木馬から髪を撫でるシーンには何も感じませんでした。

あちこちで色んな思惑が交錯してるのは良いんだけど、物語が散漫になった印象。
クロフォード捜査官もチルトン先生も出て来ないのが1番残念?

さて次はアンソニー•ホプキンス版『レッド•ドラゴン』に続きます。
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