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ロッキー4/炎の友情のItottyのレビュー・感想・評価

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)
3.9
まず個人的に一言言わせていただくと、
今までのシリーズで、見終わった後にすぐに腕立て腹筋シャドーをしたくなった作品、暫定一位です!

もはや3で怠慢から抜け出したロッキーは、ちょっと落ち着いてガッチリしてました。事件はあったとは言え、リングに上がることにきめたのも、自分一人。気持ちの入り方が違います。
その理由の一つは、ボクシングに対する感覚の変化があったからと感じます。ボクシングという戦いにおいて、もちろんこれまでもそうだったのですが、改めてこれは命をかけて戦いなのだと、生き様を示す場所なのだと、アポロから感じたとったのでしょう。

命をかける。もはや、相手が強くて勝てるかな?では済まされません。
それはトレーニングにも現れていました。冬の寒さ厳しいロシアでのトレーニングの描写はいつも以上にハードに見えたし、何より顔つきが1番引き締まっていました。やはりスポーツドラマにおいて、この点に妥協しないことはとても大事だと思います。どれだけ選手が試合にかけているのか、苦しんできたのかを、全く同じ経験をしたことのない人に伝える必要があるからです。
その点で、私は1番胸打たれました。
初めてトレーニングに付き合った義理兄も、今まで見せたことない気概を見せてましたね。


あとは、やはりドラゴも。
当時のハイテクを存分に取り入れたまさに冷徹マシーンのようなキャラクター。ちょっとユニバーサルソルジャーと見間違えそうなくらい。
でも彼もまたトレーニングシーンを見るに、一アスリートとして懸命に努力してるところが描かれます。事件を起こして完全悪者に見えるけれど、本当は敵なだけで悪者じゃない。そんな彼の背景もあったればこそ、ラストの試合が盛り上がります。


最後に今回の舞台がロシアで、完全にアウェーだったことも私は好きでした。
それはやっぱりロッキーの魅力である、
打たれても倒れても立ち上がるところ
が、際立つから。
アスリートのそういうガッツに人は動かされる。
冷戦がどうのとか時代背景もあるのかもしれませんが、敵味方を単純化したことにより、スポーツの魅力が増したことは、素直に良い部分だと思いました。
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