このレビューはネタバレを含みます
ロッキーが仇討ちのためにソ連行きを決意する場面はボクサーの宿命を感じさせる名シーンだった。薪を割ったりそりを引いたりする原始的なトレーニングで勝てたのもロッキーの並外れた精神力があってこそだ。
ゴルバチョフの登場にも驚いた。公開された1985年はまだ冷戦の最中で、大衆映画が取り上げる題材としてはヘビーなものだったと思うが、復讐に燃えるロッキーに焦点を当てたことで、政治的な意味合いが全面的に押し出されておらず、あくまでもスポーツ映画であるというスタンスが保たれている。自国の選手が負けるシナリオを受け入れるゴルバチョフの懐の広さにも感服した。この映画が米ソの雪解けを後押ししたことは間違いない。