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愛は静けさの中にのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

愛は静けさの中に(1986年製作の映画)
3.3
マーク・メドフの舞台劇「ちいさき神の、作りし子ら」をランダ・ヘインズ監督が映画化。
ろう学校に赴任した教師とろうあの女性との恋を描いたラブストーリー。
ベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)受賞。
原題:Children of a Lesser God (1986)

メイン州の港町にあるろう学校へ赴任したジェームズ(ウィリアム・ハート)は、学校で清掃している若い女性に目に留める。
校長(フィリップ・ボスコ)によると、彼女はサラ(マーリー・マトリン)といい、5歳の時からここで学び、元は優秀な生徒だったが今では学校で掃除婦として雇われているとのこと。
彼女に感心を寄せたジェームズは、コミュニケーション手段として大切だと考える"発声"を教えようとするのだが、彼女はかたくなな態度で拒否し、なかなか心を開いてくれなかった…。

~他の登場人物~
・サラの母(パイパー・ローリー ):娘と長い間会っていない。
・マリアン(リンダ・ボブ):ろうあ。経済学者で数学の天才。

「2人で見つけよう。僕らが出会える場所を。沈黙(silence)の世界でも音(sound)の世界でもない場所を」

映画初出演のマーリー・マトリンは当時21歳。実際に聴覚障害があり、手話と表情だけで表現する演技が称賛された。
マトリンとハートは映画がきっかけで、同棲生活に入ったことも話題になったが、2年で別れている。マトリンの自伝によると同棲生活の2年間、2人はなかなか難しい関係であったようだ。共演後の後日談の方が、現実の厳しさを示している。
音楽で印象的なのは、バッハの「2つのバイオリンのための協奏曲 BWV1043 第2楽章」、
ヴォンシエル・ファゲットのBoomerang、
ザ・ステイプル・シンガーズのI’ll Take You Thereなど。
なお、2人がビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」を鑑賞する場面が登場します。
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