いつもドキュメンタリータッチのウィンターボトムが演出力でも力強さを見せる。
だがそれ以上に目立つのがアンジェリーナ・ジョリー主演であり、良くも悪くも彼女以外は目立たなかった印象。
パキスタンで消息を絶った夫を探すため現地に向かうマリアンヌ。
自身もお腹に産まれてくる子を抱え、懸命の捜索が始まる。
描きたいのは消息不明の夫という謎と同時に、戦時下の理不尽さなのはすぐに分かる。
ただしどちらかというと被害者意識の方を描くのに力を入れ過ぎたようで、ひたすら暗いシーンが続くだけ。
映画としてではなく、ドキュメンタリーとしての方向の方が正しかったと思う。