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尼僧物語のhamokoのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
3.0
コンゴで看護に従事したいとオードリー・ヘプバーンがシスターになって辞めるまでの話だった。

時代もあるし宗教なので仕方がないが、神様と婚姻云々の部分でちょっと気持ち悪いな…と思ってしまった。

それはさておき、患者の手術中でもミサを優先しなさいとか、コンゴ行きの看護師を決める試験で「先輩を立てて試験で不正をしてコンゴ行きを先輩に譲りなさい」みたいな圧力もあり、なんじゃそりゃすぎてげんなりしてしまった。それは神の名を騙った悪行ではないのか…
そういうちょっとした「シスターとしての戒律」に疑問を積みながらも、自分を言い聞かせて欲や煩悩と呼ばれるものを削ぎ落としていく生活。

医者の助手や患者の世話をしながら「私たちは看護師ではないのよ」と患者を放ってミサをしたり、現地の住民が「白人を殺せとまじないで言われたから」とシスター殺しがあったなかで、泣くでもなく怒るでもなくただ静かに「赦す」描写は段々と人間らしさを感じられないくらい。

長くて少し退屈ではあったけど、シスターの生活や厳しい戒律、現代との価値観の差なんかを知れたりと浮世離れした世界を覗き見ることのできる映画だった。
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