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尼僧物語のkojikojiのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
4.0
 尼さんの物語がなんで面白いだろう?
普通ならそう考える。
ところが2時間半全く退屈させない。
映画の第一印象なんて当てにならない。
 この映画はその典型的なパターンだ。
映画は観てみないとわからない。丁度料理のようなものだ。
(※これは先のレビュー「丘の上の本屋さん」の中でリベロ爺さんが本について語った言葉だ)
 17年間の尼僧の葛藤の日々を描いた実話である。


#1309
1959年 アメリカ🇺🇸映画
監督はフレッド・ジンネマン
「真昼の決闘」「地上より永遠に」の監督さん。
原作はキャサリン・ヒュームのベストセラー小説「The Nun's Story」

 ベルギーで有名な外科医の娘であるガブリエル(オードリー)は恋人への思いも断ち切り、修道院入りする。
 修道院で修道女の戒律を学び、厳しい戒律生活に身を投じる。
しかし戒律と懺悔の日々。あまりの厳しさに脱落していく志願女がいる中、ガブリエルは見習い尼になる。
その前夜、髪を短く刈られ、シスター・ルークという名を与えられ、正式の尼僧になるべく修行を続ける。
 ベルギー領コンゴ(当時)への派遣は叶わず、ベルギーの精神病院に派遣される。が、そこでも惜しみなく努力を続け、ついに念願のベルギー領コンゴへの派遣が決まる。
そこには医者としての腕は天才的だが、大変世俗的な無神論者のフォルテュナティがいた。

 カトリックの教えに従い良き尼僧になろうと努力を続けるルークなのだが、尼僧生活は自分の良心と神への絶対服従との葛藤の日々だった。彼女の真面目な性格がどうしても服従できない自分を責め続ける。この姿がオードリーにビックリで心を打つ。

 敬虔に生きるということはどうあるべきなのか、果たして人はそれで幸せなれるのか、キリスト教とは無縁だが、考えさせられるテーマだ。

 化粧なしのオードリーの清楚な美しさが全編光る。素の美しさには絶対勝てないとつくづく思う。あの長いまつ毛、あれは付けまつ毛ではなかったんだ。

2023.07.22視聴342
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