星降る夜にあの場所で

尼僧物語の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
4.7
昨日ご紹介したオードリーのドキュメンタリー番組を観て思い出し

お気に入りの監督の1人フレッド・ジンネマンの作品でありオードリー・ベストアクトの傑作☆
理由はわからないでもありませんが、平均評価低いですね~(笑)
ただ、本作に関しては平均評価に惑わされずにご覧になった方が宜しいかと。
この作品との出会い(オードリーが演じた主人公のモデルとなっている人物との付き合いも始まる)がオードリー自身の人生観を変え、晩年の活動までの30余年の人生を決定づけた最も重要な作品。
ジンネマン監督の演出もさることながら、本作のオードリーは神がかっています。
感覚的には、優作さんが「陽炎座」の撮影の歳に清順監督に注文を付けられた【直径1mの円の中から出ないような演技】に近い。
カトリックの尼僧という役柄だけに、言動が極端に制限された中で激しく揺れ動く感情を表現しなくてはならない。
私は4~5回観ているが、何度観ても圧巻の芝居であり、顔のパーツそれぞれの細かい動き(ただの顔芸ではなく、心が動かしている)や立ち姿・歩き方一つとっても貞潔・清貧・従順と向き合うことで生じる心の葛藤がものの見事に表現されています。
何もかもが多様化された時代に生きている私たちの人生の手引書と成りうる作品でもある。
今後の邦画界発展のためにも、未見のフォロワーさんは勿論、演技が固まってしまう前の日本の新人女優の皆さんにも是非観て欲しい…(素晴らしい監督が出てきているのにも関わらず女優の芝居が付いて来れていない気がする…アニメ大国日本という世界のイメージからの脱却を…60年代以前に活躍していた女優さんたちのオーラをもう一度)

~追記~
敬愛するマーロン・ブランドの自伝を書いたパトリシア・ボスワースが女優として出演しています。