邦題からは想像出来ないクオリティのSF、サスペンス、ホラーな作品。
この作品は、ネタバレになりそうなシーンの回想をいくつ並べても、ラストが如何ようにも解釈出来る作りなので、あえてネタバレ表示にはしない。
音楽はエンニオモリコーネ氏で、不安をあおる絶妙なタイミングと音作り!素晴らしい。
フェード“ブラック”アウトと、フェード“ホワイト”アウトが、とても印象的。
物体のグロテスクな造形は、今の時代でも十分に怖いし、むしろCGではない?からこその迫力がある。火薬や爆破も。
犬の演技が可愛い。
故に悲しくなる。
孤立空間で、疑心暗鬼する人間模様は見もの。
さて、以下は個人的考察。
アメリカで人気の高いスコッチウイスキー「J&Bレア」を常飲しているややアル中気味のマクレディは、果たして人か物体か!?
(このウイスキーは、映画ティファニーで朝食をにも出てきており、映画製作者の方々にファンが多いのかも知れない)
液体からも侵入同化をすると言うこの「物体」は、このスコッチウイスキーからマクレディに侵入しているかも知れない。
だとしたら、ブレア博士が隔離された際、彼が愛飲しているスミノフウォッカの100プルーフ“スミノフブルー”を、マクレディがボトルに口をつけるシーンがあるので、ブレアはひょっとしてそこから侵入されたのかも知れない。
となると、ラストのチャイルズへ渡したウイスキーは、ウイスキーを介して「物体」が侵入したのではないか!?と言う感じである。
となると、約27000時間後(3年くらい?)には、地球は全て「物体」に乗っ取られてしまうのか!?
案外時間あるけど間違いかな。
そう言えば外で、寒くて眠いとも言ってるし、寒くても冬眠できると言う遠回しな説明とも捉えられる。
冒頭のチェスのゲームのシーン、J&Bをパソコン内に侵入させ破壊するシーンは、ひょっとするとその後の出来事の暗示的表現なのかな。
ウイスキー、ウォッカ、それぞれの語源「生命の水」は、遊星からの「物体」にとっても生命の水となるのか。
ちなみにお酒と言うのは、穀物や果実に酵母を加え、その酵母が「死んで」、アルコールへと姿を変えて生まれるものであり、「物体」の侵入同化し母体を「殺して」生まれてくる様を、屁理屈的にこじつける事も出来る笑
この映画をご覧になった方と出会う事があれば、J&Bで乾杯して考察を語ってみたい。
もちろん、口開けをそれぞれのグラスで。