アむーレ

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームのアむーレのレビュー・感想・評価

3.4
ん~個人的には前作のほうが好き。
1891年、前作から1年後の世界なんだけど、このときヨーロッパで起こっていた連続爆破テロ事件。その謎を追いシャーロックホームズが事件の黒幕へと迫っていく。

どうしても前作と比べながら見てはしまうのだけれど、前作は事件の真犯人が誰なのか、真相が分かっていくまでの間に人間関係が徐々に明らかになっていく点がおもしろかったけど、今作では冒頭のクモの巣部屋(事件の関係性を赤い紐で結んだホームズの研究部屋)で早々に悪役が明らかになる。
警察組織の介入もなく、ホームズとワトソンが延々と無双していき敵を倒すところまで行くので、途中ホームズが瀕死となる場面があるにしてもちょっと出来すぎ・上手く行き過ぎ感が否めない。
そもそも探偵って特に大きな特別な権力を持った者ではなく一般市民の1人なわけだから、あれこれするにも相応のバックアップって必須だと思うんだけど、各国の大使が集まる大事な会に潜入できたり、オペラの舞台に潜り込んだり、拳銃ぶっぱなしたりやりたい放題。
まるでインディージョーンズだね。

それと、探偵ものだから推理とか事件の真相やどんでん返し、展開の驚きなど、ストーリーの深みを楽しみたいのだけれど、今作は前作に比べてさらにアクションに傾倒しすぎかな。
派手な銃撃戦、爆発、殺陣は確かにすごい見ごたえはあるのだけれど、ストーリー<アクションの印象が強すぎるもんだから、なおさらホームズ達の無双感が際だってリアリティないって思ってしまいました。

途中の女装はこの映画のホームズのキャラらしさが出ていて面白かったし、序盤の犬に打った注射が中盤の瀕死のホームズを救う鍵になったり、序盤の変わり者の迷彩服がラストの展開に上手く繋がったりと、伏線の回収には工夫があった点は良かった。

続編の第3作は2018年に正式発表されたものの、その後企画が進まず2022年にはコロナ禍により頓挫との情報。現在のところ第3作の製作実現は不透明ではあるけれど、もし実現するのであればアクション映画は他でも楽しめるので、シャーロックホームズだからこそ表現出来るあっと驚くストーリーの面白さに期待したいですね。
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