Jimmy

心の日月のJimmyのレビュー・感想・評価

心の日月(1954年製作の映画)
4.8
初見は「若尾文子映画祭(@角川シネマ新宿)」(2015年8月)だったが、8年ぶりに購入DVD鑑賞。映画館で観た時には、他の観客と一緒に映画館で笑える楽しさがやっぱりイイものだった🤗

ここまで絶妙なタイミングでの「スレ違い映画」は職人技…🤣笑
とっても若い頃の若尾文子が見られて、内容も本当に楽しい作品だった🙂

岡山から東京の夜行列車で家出娘=皆川麗子(若尾文子)は、同じ列車で(大映映画おなじみの)村田千栄子演ずるバーのマダムと知り合う。麗子は、親が決めた結婚が嫌で、岡山から東京の学生になった磯村(菅原謙二)に会いに来たのだった。しかし、この麗子と磯村が、なかなか会えない「スレ違い」。

東京に着いた麗子が公衆電話から磯村に「東京に来た」と話して待合せた場所が飯田橋駅前。ここで二人は、お互いに長時間待っても会えない。改札が2箇所あったので…。
麗子はバー・マダムから紹介された社長秘書として働き始めるが、その社長(船越英二)に好かれる。一方の磯村は、岡山から来た麗子の許婚(金持ち)から学生寮を追い出されて、なんと社長の自宅手伝いとして働いている。これまた微妙なシチュエーション。
その後も、映画館で微妙に会ったり、デパートのハンカチ売り子の麗子が微妙に見かけたりと、まともに対面で話し合うことが出来ない二人。

究極的場面としては、磯村の友人が住んでいるアパートのドアから磯村が首を突っ込んで話している後ろを通る麗子のシーン😄笑

スレ違い以外でも、麗子のハンカチ売り場に頻繁に来て「ハンカチのダース買い」を繰り返す社長(船越)を見た他の店員が「ずいぶんとたくさんハンカチ買う人ね~」には爆笑させられた🤣ww

…といったかたちで、物語が展開していく昔の東京を舞台にした娯楽作品であり、肩の力を抜いて楽しめる良い映画。
何度観ても楽しい気持ちになる佳作✨


なお、映画館で観た時にはチラリと映った場面だったが、DVD鑑賞ではジックリ見られる。
◆その1…若尾文子を待つ男がLIFE誌を手にするが、表紙がジャネット・リーだった。
◆その2…若尾文子たちが映画館へ行くエピソードも描かれるが、映画館の外観が映るものの(東京の映画館なのに)上映作品の邦題表記が無く原題『Les belles de nuit』の看板だけだが、映画場面も続いて映って、『夜ごとの美女』であった。


[余談]この映画のロケ風景写真が(3年ぐらい前に出版された)「若尾文子写真集」に載っているが、飯田橋駅前のロケでは撮影風景を見る一般人が多数で「若尾文子のロケを生で見られていいなぁ~」と思ったが、自分が生まれる前なので私が見られるわけがない😅笑

<映倫No.1243>
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