びらびらマン

エル・スールのびらびらマンのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
4.3
生まれた時から側にいる「親」のことを実は全然知らないよねっていう

「親の事何を知ってるんだろ、?」って考える事ないですかね。自分はめちゃくちゃにあるんですけど、いつも「ほぼ知らない事しかないや」ぐらいの結論に行き着きます。

本作はそこに迫っていって、主人公がどんどん知っていっちゃいます。パパっ子だった主人公が親の「親」以外の側面を知っていくのですが、当然負の面も知っていくことになり、沈んでいきます。そこから葛藤しつつもある種の人生への諦めというか妥協というか、世の中の理不尽を受け入れて成長していく静かな強さが本作の魅力かなと、

加えて本作は、現在の時間軸の主人公が語り手となって、過去の自分と親への視点で語っていて、客観視している自分への視点と今だからわかる親の「親」としての役割以外に抱えてる苦しみを描いていて、主人公の心情を浮き上がらせ方がうまいなぁと

何気ない日常の風景を幻想的に撮る才能というか、内容を抜きにしても画だけで見る価値のある映画だなとおもいます

あと、すごい良い作品なんですけど、結構眠かったです笑