本棚の古いパンフレットを整理していて昔見たことを思い出し、再び視聴。
30年ほど前に繰り返しスペインに行っていた。光と闇、夜明けと夕暮れ、空気や土、同じ国といっても、地域で全く違う顔を持つ国。そこが魅力でもあるのだけれど、だからこその北と「南」の象徴的な対比。
娘であるエストレーリャの語りで物語は進んでいく。いろいろなことが明らかになるにつれ、父の表情が次第に意味をなしてくる。ひとつのひとつのシーン、構図、光が印象的で、プラドの絵画を見ているよう。
内戦の暗さを引きずる国と胸に残る過去の思いに引きずられる男。まだあどけなさも残る娘は時に残酷である。娘にはいつまでも憧れの存在でいたいのが父なのではないかしら。
それにしても、ヴィクトル・エリセ監督は、どうしてこんなに子どもの頃のあの気持ちや感触をありありと蘇らせてくれるのだろう!