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フル・コンタクトのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

フル・コンタクト(1992年製作の映画)
4.0
タイ・バンコクのナイトクラブの用心棒ジェフ(チョウ・ユンファ)は、友人サム(アンソニー・ウォン)の借金を返すために冷酷非情なジャッジ(サイモン・ヤム)と暴力的なクレイジーと淫乱なヴァージン(ボニー・フー)とともに武器輸送車強盗を計画した。しかし計画の完遂をまえに、ジェフは仲間に裏切られる。右手の自由を失った彼は、銃を左手にもちかえ復讐の旅に出るが、さらなる修羅場が待ち構えていた。
リンゴ・ラム監督と言えば、「レザボア・ドッグス」の元ネタ映画「友は風の彼方に」のように緻密にドラマを積み重ねてサスペンスを盛り上げる語り口とリアルなガンアクションが特徴だが、今回は荒々しいハードボイルドアクションになっている。
チョウ・ユンファが演じるジェフは、荒々しいチンピラでジョン・ウーのアウトローヒーローを演じている時のような心優しい部分や葛藤がないので、単なる冷酷な復讐鬼に見える。
ただ自分を裏切ったサムやサムに心を移した恋人モナに対する複雑な思いは、ちゃんと描かれていた。
ジェフが肉体改造するシーン、弾丸目線のカメラワークでのナイトクラブの銃撃戦やクライマックスの銃撃戦は荒々しく迫力満点でカッコいい。
サム・ヤム演じるジャッジの冷酷非情なのにスタイリッシュでジェフに異常な執着を見せるユニークな悪役ぶりが、印象的。
スタイリッシュで浪花節な香港ノワールでは、異色作と言えるハードボイルドアクション映画。
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