いずぼぺ

セカンドベスト/父を探す旅のいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.6
父とのわだかまりを埋めることが出来ないまま、その父の介護を続ける独身男の主人公は街で偶然見かけた里親募集のチラシで養子を迎えようと決心する。
片や母と死別し、受刑中の父をもち施設で暮らす少年。この二人の出会いは図らずも父からの愛情と父への失望という呪縛を乗り越えて前に進む旅路のはじまりとなった。
血縁という選択肢のない愛の対象と自らの意思で選んだ愛の対象を心の中で並列させてもいいんだ、と。
求める側にいた者が与える側に変わったときの描写がよかった。
ある意味これも「赦し」の物語。赦しには莫大なエネルギーがいる。

僕を試したのかい?
そうだよ
302-109