このレビューはネタバレを含みます
わたしのすきな歌…って、さくらももこが好きな歌パーティなんか!自分がティーン時代に好きになった曲を使って、自分の原作アニメ映画で、オリジナルMVも作っちゃったって、どんな夢だよ。テレビ局がまだ強かった時代感も沁みてる。
脳に来る映像と音楽を織り交ぜながら、お話はほっこり王道ってなんか新鮮ね、、、とか観ながら思ったけど、
よく考えたらお話にも相当スパイスがあったよね。
まるこも、画家のお姉さんもさくらももこの分身。まるこの後押しによって、お姉さんは結婚を選ぶ。さらに、まるこがお姉さんの結婚式でばんざーいと言いながら祝うシーンは、戦争へゆく兵士へのばんざーいと重なる。。
結婚が戦場だなんて…と、それまでの夢のようなきらきらとした物語の文脈からすると 過激な比喩によるテンション落差もあり、その時はむっとしてしまったが。
振り返れば、無邪気な夢を見るまるこも自分。結婚によって一度死地へ向かう気持ちがするのも自分。
ということなんだな。
「結婚とはそういうものじゃない。夢か結婚か二択だなんて視野が狭い」と、今の時代なら簡単に言う人もいるかもしんないけど。
90年になったばかり。今の時代とは空気が違うハズ。
観賞直後、「結婚も、仕事も、どっちももぎとった力づよい物語だな?」なんて一瞬思ったけどそれもピントがずれてる気がする。
「結婚を夢見た自分がいる。
結婚でいちど死んだ自分もいる。でもその先も人生は続く。そういえば、入賞っていうこともあったよ」そんなようなトーンなんだろう。
かなり、ビターでソリッド。アンビギュアスな感情を認めてあげてるように思った。