三四郎

わが恋せし乙女の三四郎のレビュー・感想・評価

わが恋せし乙女(1946年製作の映画)
3.5
原保美かっこええなぁ。
兄が妹を追いかけ足を掴むシーン、いい意味でエロチック。素敵な家族に拾われて幸せな娘さんだ。
乗馬で追いかけっこ。「あんなに追うんだもの」「逃げるからさ」木下惠介監督は本当に草原を美しくキャメラにおさめ、カットのつなぎにテンポをつける監督だ。

科白がまた深い。
「いいなぁ、生きてるってことは。
死ぬほどの苦しみをしてきた人でないと、本当に生きていることの有り難みはわからないんじゃないかしら。そしてまた、生きていることの有り難みを知っている人なら、決してくだらない生き方はしないと思うんですけど」
「でも、そんな負傷をしなかったら、もっと良かったとは思いませんか?」
「そうは思わないんです。びっこのこの足をこうやってなでていると、よくも生きていられたと思って、たまらなくこの足が可愛くなってくるんです。こんな醜い足でさえ可愛いんですもの、世の中のことはなんでも可愛いですよ。況して恨んだり憎んだりする気持ちにはなりませんから」
満月の夜、兄が妹に語る…妹に恋していた男の話。いいシーンだなぁ。
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