わが恋せし乙女の作品情報・感想・評価

「わが恋せし乙女」に投稿された感想・評価

櫻

櫻の感想・評価

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彼の恋せし乙女は、白い洋服に包まれて捨てられていたところをやさしい彼の家族に拾われた子であった。血の繋がらない兄と妹、されど兄は兄でしかなかった。それ以上の熱情を静かに燃やしていた彼のことを知るよしもなく、歌を歌うように鮮やかに成長した彼女。まっすぐな眼差しは光の方を向き、疑いもせず兄からの祝福を受ける。彼と彼女の心象の陰影がだんだんと濃くなっていく。

人を想うこと、というのはきっとこういうことなんだろう。たとえ、自分の気持ちを隠してでも、自分がそこに居られない幸せであろうとも、その人の幸せを願うこと。それはすごく辛いことだけど、誰よりも笑っていてほしいし、幸せな暮らしをしてほしい。きっと彼もそうだった。叶わないのだと分かった瞬間、彼の眼差しの哀しみの翳りを私は見逃せなかった。それでも彼は、溢れそうな涙を見せまいと微笑んでいた。

ふたりを同じように我が子として育てた母の涙を流しながらの「嬉しいんだよ」に隠された想いに、胸が苦しくなる。たったひとつの幸せを喜びながら、片隅にある想いは消せない。暗闇でもほのかに光るそれを心に眠らせながら、時にそっと起こして眺めてはまた涙を浮かべるような日々を彼らは生きていくのだろう。
独り言

独り言の感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

木下惠介 戦後作。
一言で言えば開放感につきる。
広い牧場風景や爽やかな男女の恋、感情を溢れるままに表現する様子に、当時の観客は長い息苦しさから解き放たれた自分自身と重ね合わせたろうと想像した。
作品としてはそう好みでもないが、終戦直後という時代背景を考えるととても味わい深い。
敗戦で行く先を失った人々にこの作品を見せたいと思ったであろう、木下惠介の人柄さえも感じてしまった。
切ないですね。

お兄さんが素敵な女性と出会えるよう願うばかりです。

歌が可愛い。
井川邦子さん、可愛くてなんだかハイジみたい。頬が可愛い。(順番的にハイジが後なんだが)

少年の頬を強く抓る演出が良かった。行き場のない感情がそこに詰まってる。それにしても、軽井沢ってこんな感じだったのね。のびのびとした世界だったなあ。戦後かあ。
rika

rikaの感想・評価

3.8
天真爛漫な妹に対比し気持ちを隠す兄と見守る母が買って切ない。ジロウをつねるシーン、ぐっときました。白黒だけど浅間山付近の遠景が美しい。
Tyga

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3.4
すごくシンプルなストーリー。

叶わぬ恋のお話なのに、75分の尺でしつこくなく、随所に散りばめられる音楽がとても爽やかな気分にしてくれます。
ngsm

ngsmの感想・評価

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9/19 Hulu

Huluで木下恵介作品見よう企画第2弾。
これは今見ても全然アリな切なくロマンティックなラブコメだった!75分でサクッと観れるからオススメ!
恋仲みたいなテンションで見れるはず、恋仲見てないけど!

主人公は、妹として育てられた拾い子に想いを寄せていた。戦争をなんとか生き延びて帰郷した彼は、ようやく彼女に想いを告げようとするも、彼女には好きな人が出来ていて…みたいなお話

戦争が終わったこともあるのか、音楽もたくさん流れるし全編解放的な気分が溢れてる

「はじまりのみち」で木下作品のハイライトが一気に流れるシーンがあって、そこでこの映画の馬車のシーンが流れるんだけど、あのシーンの意味合いが思ってたのと実際は違くて少し驚いた
2014 4/3.DVD
ジロウのつねられた顔可愛い。兄妹愛。