毬子

ペネロピの毬子のレビュー・感想・評価

ペネロピ(2006年製作の映画)
4.0
『呪いを解くだけが幸せじゃない、そのままの自分を受けいれた時に道はひらけるよ』

ブタの鼻を持って生まれてきたペネロピ。
彼女は父方の先祖の呪いで名家の男性と結婚しなくては人間の鼻に戻れないという。
こんなヘンテコな鼻の私を誰が好きになってくれるだろう。
両親も世間から娘を隠し呪いを解くことだけに夢中になって…。

よくあるおとぎ話風のラブコメかと思っていたら中盤あたりから物語に深みが増してどんどん引き込まれペネロピの虜になった。

ペネロピが外の世界へ逃げ出してストローでビールを飲むシーンがキュート。
コートもとびきりかわいくてボタンや袖口などに個性が光る。

娘を案じるばかり呪いに盲目的になってしまった母の心の動きも痛いほど伝わってくる。

最後のシーンで男の子が言った「呪いを作り出しているのは人間だよ」という言葉にハッとした。
鑑賞後は幸せな気持ちになる作品でした。
毬子

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