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エリザベスタウンのGINのレビュー・感想・評価

エリザベスタウン(2005年製作の映画)
3.7
『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督が、1度に全てを失った1人の青年の再生の道のりを描いたセンチメンタル・ストーリー。

2005年制作。
シューズ会社に勤務するデザイナー、ドリューは、彼が開発した新作シューズが失敗に終わり会社をクビになってしまう。
恋人のエレンからも距離を置かれ、自殺まで考えていた彼に、父親が急死したという知らせが届く―。

物語は、主人公ドリューの語りで始まる。
劇中で流れる音楽は絶妙な選曲センスを感じるが、話の進展に関しては淡々と描かれていて、ややぎこちないと言うか、淡白な印象だ。
まるで主人公ドリューの心情を表現しているかのような描き方だった。
アメリカの片田舎を舞台にした人間模様。
出会った人との交流を通して、喪失感に満ちたドリューの心に少しづつ希望の明かりが灯っていく。

主演はオーランド・ブルーム、共演にキルスティン・ダンスト。
オーランド・ブルームが、繊細な役柄を好演していた。
ドリューの再生に大きく関わるのが、キルスティン・ダンストが演じる客室乗務員のクレア。
気さくで明るい性格のクレア。
ドリューとクレア、2人の取り留めのない携帯電話での会話や再会してのやり取りが印象的だ。
傷心の時には誰かと会話をするというのが良かったりするけど、そんな感じだった。

父の故郷であるケンタッキー州のエリザベスタウンで新たな人生のスタートを決意することになるドリュー。
終盤、ドリューが骨壷を助手席に置いて1人で車の旅に出るシーンは、ロードムービーっぽく、そこで流れるセンスの良い音楽は心地良くて、気持ちが晴れると言うか、風を感じるような爽やかな気持ちにさせてくれた。
ラストは、ハッピーエンディング!
とてもピュアな気持ちにさせてくれる作品で良かったです。
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