すあまさえ

男はつらいよ 寅次郎夢枕のすあまさえのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年製作の映画)
3.7

「男はつらいよ」10作品目。

寅さんの恋は絶対に実らない。
今まで、徹底的に失恋してきた。

でも、10作品目で、はじめて、恋が実るとは違うんだけど、ヒロインに惚れられる。

八千草薫は、去年亡くなっちゃったけど、私たちも馴染みのある作品にたくさん出てる。いると場が安心するし、しっとりする。

寅さんをみて思ったけど、若い時からほんとにキレイで、変わらない。所作が素敵だ。

チューボーと寅さんに呼ばれている。近くで美容室をやってる。

寅さんは全然その気持ちに気づかない。
敏感なんだか鈍感なんだか。

最後の公園のシーンで、自分に気持ちがあることに気がつくと、寅さんはその場にブクブクと沈んでいく。足が動かなくなる。立っていられないんだね。

人に喜んでもらおう事に一生懸命になれる寅さん。いい人だよね。好きになる気持ちがわかるよ。

でも、大事な場面になると腰がひけて、覚悟を決められないんだよね。
そこが寅さんらしいよ。そこも含めて、受け止めてくれる人って、誰なんだろう。

おいちゃんおばちゃん、桜にヒロシ、やっぱり、家族以外に、新しくそういう人になってくれる人を見つける事は、並大抵のことじゃないんだね、きっと。
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