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八月の濡れた砂のtのレビュー・感想・評価

八月の濡れた砂(1971年製作の映画)
3.7
夏、バンド、ヨット、童貞…など青春映画らしい要素に埋め尽くされてるにも関わらず、何と無く空は曇天に見え、鬱々とした雰囲気が漂う。
1971年という、学生運動が衰退し行き場を無くした若者達の閉塞感の所為だろうか。日活の新体制移行前最後の作品であり、同年大映も倒産している事実は無関係とは言えないだろう。
本作はそんな閉塞感や、青春における刹那的な心情を象徴的事物を多用しながら上手く語っているように思える。
かなりの名作になり得るような映画だが、いかんせん粗さが目立つのが何か惜しい。「気狂いピエロ」の片鱗が見え始めた辺りからちょっと落胆した。
あと予告編が相当挑発的。
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