Shu

暗い日曜日のShuのレビュー・感想・評価

暗い日曜日(1999年製作の映画)
3.0
実際に存在する【暗い日曜日】というシャンソンの名曲に纏わるエピソードを、第二次世界大戦時のハンガリーを舞台に、美女を巡る奇妙な三角関係+αと絡めて魅力的なドラマに仕上げた作品。

作中作として名曲だとか名画だとかを登場させるのは、1からそれを創り上げるのは大変にハードルが高く、「BECK」や「20世紀少年」などを挙げるまでもなく、駄作をより駄作たらしめる一因ともなりかねない。その点、この作品は比較的成功している方なのではないかと思う。過去に実際に大ヒットしたわけだし、今でも歌い継がれる名曲だ。シャンソンの良さがいまいち理解出来ない現代人でも、時代を感じさせる歌のためか、物語に冷めてしまうということは少ないと思う。

この歌はブダペストのレストランで働く美女イロナに捧げられた若き音楽家が生んだ名曲として描かれる。まあ曲自体は狂言回し的な使われ方で、この映画を一言で身も蓋もなく言うなら、美女を取り合う男達の悲劇といったところだ。


とにかく主演女優のイロナが魅力的で美しすぎる。序盤は彼女を巡る三角関係が描かれるのだが、しばしば登場するイロナのエロ過ぎる裸に興奮することしきりだ。あまりにエロくて美しいので何度も一時停止&巻き戻ししてしまった。イロナ役のエリカ・マロジャーンはこの時点で27歳。白人なんて25歳超えると見られたもんじゃねーと思っていたが、ハンガリー美女ってすごい。おっぱいや尻の膨らみ具合とか微妙なラインのくたびれ具合とか揉まれた時の柔らかさ加減とか、正直凝視しないわけにいかない。


ナチの地方監理官がイロナに惚れてしまうことで悲劇が起こるのだが、これだけ美しくてエロい体なら悲劇が起こってもおかしくないぜ!エロ過ぎて最初の方の話が飲み込みにくいぜ!後半はエロ少なめで「イロナの裸まだかなー」とか考えて集中しづらいぜ!

このナチ将校役の俳優も憎たらしいほど上手い。後半の脚本もシンドラーのリストの真相はこうだと言わんばかりのえげつない皮肉に満ちている。ラストシーンもいい感じに伏線回収して綺麗に終わる。


ということで全体の雰囲気は地味ながら完成度が高いんだけど、結局は美女イロナを取り合う話のため物語の芯の部分のカタルシスに欠ける。興行のためには無駄にエロくせざるを得なかったのだろうか。シャンソンに造詣が深いなら歌詩の内容も相まって心に残るのだろうが、自分はそうでもないので、「美しくてエロい女はドラマだ」という誰に向けてるのかわからんメッセージだけを受け取った。
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