木曳野皐

2001年宇宙の旅の木曳野皐のレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
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にゃんたこ氏がこの映画をよく好んで観ててゴリ推ししてたので観てみた、今頃ななこちゃんと語り合ってるであろうにゃんたこ氏に一言言いたい、「人に勧めるには難解すぎる」。でも面白かったよ。最初の20分は少しウトウトしたけど最後にあの20分の意味が落とされたので良かった!

私は神やらなんやらとは無関係の所に住んでいる、と思っていたけど、この映画を観るとそんな考え方は勿体無い気がするな。
実際、人間が初めて月に降り立った日は1969年7月(この映画公開の約1年後)らしい。へー、キューブリックすげぇじゃん。ヤベー。ジワジワと広がるこの感じ。
キューブリック作品を観た後になる現象なんだが、現時点の私ではキューブリックを語れないんだよな、なんせ語彙が足りない。
ただどっかの誰かが「映画は沈黙や静寂を聴くもの」と言っていたように、この映画にはそれらの音全てが詰まっている感じがした。すげぇ小並だけどね。
キューブリックあるあるを語れば1番に出てくる“オーケストラ”を大量に使う事で明らかになる“静寂”。正に圧巻。
あの緊張感漂うシーンで呼吸だけ聴かせるという行為が私の胸に、頭に、効いた。
こうやって観てみると(まぁ美術さんが凄いのだが)、宇宙は深海に似ているというのは事実だと思う。真逆の様で1番似ているんだよね、難しいね。
私は思うんですよ、こうやって何億光年も離れた場所が1番似ているっていう事実が1番の神秘なのではないかと(何言っとんねん)

「異臭を放つ内臓のオーケストラ」なんちゅーイカれた台詞を思いつくだけあるわキューブリックさん。なんか、映画の壮大さにももちろん衝撃は受けたけど何よりもキューブリックの想像力や創造力に脱帽。
この映画でウィスキー、ボトルで空けれる。
長編だけど人類を描くには短い、きっとキューブリックに観客も予算も考えないでもっと好きにやらせたらもっと長くしてくると思う。人類の“昇華”がこの時間で完結できるならスタンディングオベーションでしょ。
“赤い目”がどんなスプラッターよりも恐怖だったけどね。


ただ最後に一言だけ言わせてくれ。
これをオススメしてくる女の子と僕は付き合いたくない。
木曳野皐

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