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2001年宇宙の旅のmiyaのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
中学生のときはじめてみて、高校生でまた観て、大学にはいってまた観て、4年生になってまた観た。

ときは変わって僕も変わる。当然だけど。

初めてみたとき、HALに恐怖心はなくって、スペーススーツやユニットルームが超かっけえとしか思わなかった。
ラストの超次元も意味がわからずじまいだった。

けれども、いまこのとき、大人になって知識も経験も情緒も培われて、観た。

あらゆる文献を読み倒したい欲求と、やはりSFは自身の存在意義を改めさせられるほか、程よくその体をまさに宙に浮かせてくれる。そして、時は変化することと、メメントモリを眼前に提示してくる。

さすがSFの金字塔!!

ぼくのすきなノーランさんも心底すきなんだなと深くためいきをついた。


HALがこわい!!あの赤いランプは間違いなく、ITのそれと違いない。

HALの回路を切ってるシーンはノーランさん、インスピレーションを受けたのではないか。

すべてがおそい。ワンカットが長く、だけれども緊張感。
モーションが、機械や装置の質感までも鈍い。
しかしそれが良い。
その鈍さとSFの宇宙空間。

ジュピターミッション前の夜明け。

サルが食う生肉が絶妙なリアリティ。



頭蓋骨を骨で砕く、骨が宙に舞うからの宇宙。
これこそ劇中最高の時間旅行だ。
いやちがう、時の旅をしたのはぼくだ。
10代から20代にかけて見続けた、モノリスに触れた僕こそが一番の時の旅行者なのかもしれない。
われながらカッコよく書けたレビュー。グッド。


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