2001年宇宙の旅の大一のレビュー・感想・評価

突如始まる暗闇、何度も聞いたことのあるテーマソング、猿人たちによるセリフのないかけあい、序盤の怒涛のテンポに続いて始まる本筋となる人類が宇宙旅行を可能にした時代の物語。一つのミステリアスな問題を孕んでいるようでありながら実質ストーリーはないようなものであった。鮮明に宇宙がわかる以前に、ここまで宇宙空間を映像として描いていることが驚きであった。独特の構図やテンポによりミステリアスでありながら印象的なカットがいくつもあった。AIが怪しく見えるのは初めから彼の目の色が赤い為か、映像美と一言でくくってしまうのは安いかもしれないが脚本やテーマ性というよりもこの時代にこのレベルの宇宙空間を映像として記録できていることそのものが大きな価値でありキューブリックのすごさであると感じた。