Minami

2001年宇宙の旅のMinamiのネタバレレビュー・内容・結末

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます


なんだなんだこの映画は。
あぁこれがキューブリックの本気なんだと、近未来的で精巧な世界である宇宙産業を彼に描かせたらこのレベルに到達するんだなと。
ストーリーは基本的にセリフが少なめでもはや笑ってしまうほどに難解で最後なんて???の感情しか浮かばないし、詳しい解説を読んでやっとわかるというレベル。
あそこまで難解で自己満(いい意味)はたまたぶっ飛んだ美術観を持っていながら、徹底的に自分のこだわりに凝りに凝ってそれが最終的に観客を惹き付けるってスタンリーキューブリックとは前世どんな得を積みあんな才能を持ってこの世に生まれ落ちたのか。すごすぎて言葉を失う。

色んな人が言ってるけどこの先進的なテーマを68年の時点で扱ったのも天才的すぎる。特に印象的なのは人工知能HALの暴走。ただの赤いライトなのに宇宙飛行士を殺す瞬間、それはまるで人格を持ったように見え、物凄く恐ろしかった。
終盤のHALとの対話シーン、動作はほぼゼロで表情で魅せるあの演技の上手さも演出の大胆さも楽しい。
彼の創る作品はもちろん美術においてもそうだけど、作品ごとに登場人物が極端に感情的だったり(時計じかけのオレンジ、シャイニング)ほぼ無感情だったり(バリーリンドン)でそれをも映画のテンションにしてしまうのも素晴らしい。

話が観客の理解をぶっ飛んでしまっていることだけを考慮しても本当にすごい作品だと思います。
Minami

Minami