櫻イミト

悪魔のはらわたの櫻イミトのレビュー・感想・評価

悪魔のはらわた(1973年製作の映画)
4.0
淀川長治氏が絶賛したエログロホラー。イタリア映画界の大プロデューサー、カルロ・ポンティが、アンディ・ウォーホール組のポール・モリセイ監督と常連キャスト達に「処女の生血」(1974)と2本パックで撮らせた。原題は「Flesh For Frankenstin(フランケンシュタインの肉体)」。

天才科学者フランケンシュタイン男爵(ウド・キア)は、男女の人造人間を作って交配させ新人類を創造する実験を進めていた。実姉を妻に娶った臓器愛好者の彼は、完成しつつある女人造人間の臓物をまさぐりながら研究に没頭。遂に男人造人間の頭部にふさわしい絶倫青年(ジョー・ダレッサンドロ)を見つけるのだが。。。

60年代末期の東映エログロ路線を彷彿とさせる異常で変態的な映画だが、舞台となる古城ロケーションはとても良い雰囲気で、室内美術もかなり作りこまれていて意外にアートな香りが漂う。怪優ウド・キア、ウォーホール映画の美男担当ダレッサンドロなど、役者陣も狂った役柄を熱演していて好感が持てる。シナリオにはブラックな笑いも込められていて、最後のオチまでうまく完走していた。

この手の映画はC級作品では沢山ありそうだが、本作は総じて完成度が高い方だと思う。Flavorwireによる「史上最高のミッドナイトムービー50本」に選出されたのも納得の秀作カルトホラー。

※公開時は3D上映だった。
櫻イミト

櫻イミト